福本伸行作品特集!!


カイジシリーズ
■概要
『賭博黙示録カイジ』は、福本伸行による日本の漫画。『週刊ヤングマガジン』(講談社)で1996年から連載された。

続編として『賭博破戒録カイジ』、『賭博堕天録カイジ』が同誌に連載され、2009年からは『賭博堕天録カイジ 和也編』と題して3勤1休のペースで連載、2012年2月より休載となったが翌年2013年4月再開。なお、同誌目次では全シリーズ一貫して『カイジ』となっている。

■作品解説
自堕落な日々を過ごしていた主人公の青年「伊藤開司」が、多額の負債を抱えたことをきっかけに様々なギャンブルに挑んでいく青年漫画。命を賭けた極限の勝負の中での人間の思考・生き様が描かれており、作品独自のギャンブルや、「ざわ…ざわ…」の擬音やモブキャラの「黒服」などの福本作品独自の表現が特徴である。

元々は前後編の読み切りの予定だったが、福本がヤングマガジン編集部に限定ジャンケンのプロットを話したところで連載が決まり、その後福本の最大のヒット作品の一つとなった。第22回(1998年度)講談社漫画賞一般部門を受賞。発行部数は『賭博堕天録カイジ 和也編』既刊10巻時点では4シリーズ累計2000万部超え。

『逆境無頼カイジ』のタイトルで日本テレビ系列でテレビアニメ化され、2007年10月に第1シーズンが、2011年4月から第2シーズンが放送された。また、2009年10月、『カイジ 人生逆転ゲーム』のタイトルで実写映画化もされた。2011年11月に『カイジ 人生奪回ゲーム』のタイトルでシリーズ2が公開された(日本テレビ製作、東宝配給)。


賭博黙示録カイジ
第1章「希望の船」
■ストーリー
上京後、自堕落な日々を過ごしていた伊藤開司(カイジ)は、ある日金融業者の遠藤により、かつて自分が保証人になっていた借金を押し付けられ、法外な利息により385万円にまで膨らんでいることを知らされる。遠藤に誘われるままカイジは、負債者に借金一括返済のチャンスを与えるという、フランス語で「希望」の名を冠すギャンブル船「エスポワール」に乗り込む。

そこで行われるのはカード12枚を使った「限定ジャンケン」。大手金融業者の「帝愛グループ」が裏で取り仕切るそのギャンブルは、うまく勝てば帝愛からの借金は帳消しだが、負ければ命の保障はないというものだった。カイジは幾度となく煮え湯を飲まされながらも、土壇場での閃きと思考を駆使して、生き残りを賭けた勝負に身を投じる。



賭博破戒録カイジ
第2章「絶望の城」 
■ストーリー
エスポワールから辛くも生還したカイジだったが、借金返済はならず、その総額は600万円以上に膨れ上がっていた。4ヶ月後、アルバイト生活に戻っていたカイジの前に、再び遠藤が現れ、新たなギャンブルを持ちかける。今度こそ勝つと決意したカイジは会場である「スターサイドホテル」へと向かい、決死の勝負「鉄骨渡り」に挑む。

多くの人間が転落死していく中、2度の鉄骨渡りをカイジは唯一渡りきるが、主催者側に勝負中の言動を後から指摘され、賞金を得る権利を剥奪される。激昂するカイジの前に主催者である帝愛グループの会長・兵藤が現れ、「もう一度チャンスをやろう」とこれまでのギャンブルを仕切っていた大幹部・利根川と「Eカード」で対決することになる。

カイジは極限の死闘を制すが、帝愛から簡単に切り捨てられた利根川の姿を見て、真に倒すべき存在は兵藤会長であることを痛感させられる。カイジは自身と鉄骨渡りで死んでいった仲間達の無念を晴らすため、自ら兵藤に「ティッシュ箱くじ引き」を挑み宣戦布告する。



賭博黙示録カイジ
第3章「欲望の沼」
■ストーリー
スターサイドホテルの勝負で兵藤に敗れ、さらに借金を約1000万円に増やすことになり、逃亡生活を送っていたカイジは遠藤に再びギャンブルを紹介するよう依頼する。しかし規定によりギャンブルは紹介されず、逆に拉致されたカイジは帝愛グループの地下施設で強制労働をさせられることになった。カイジは一日外出券を得るために金を貯めようとするが、所属するE班の班長・大槻の巧みな篭絡により金を使い果たす。大槻はさらにカイジに給料を前貸しし、自身の主催する「地下チンチロリン」に誘い込む。大槻に大敗を喫してさらなる借金生活に追い込まれるも、カイジは大槻のイカサマに気づき、自分と同じ境遇にある通称「45組」の5人と団結し、打倒大槻のために決起する。

カイジら6人は協力して3ヶ月の貧窮生活を耐え凌ぎ、地下チンチロで大勝負を仕掛け、カイジの奇策により大槻を倒し、外出に必要な資金を得たが、45組の仲間達はそれをカイジに託し、6人全員の借金返済に必要な6千万円を得ることを依頼した。単独で80万円の現金を持ち、地下から20日間の一時外出をしたカイジは裏カジノを巡ってチャンスを探す。

やがてカイジは偶然出会った男・坂崎と、帝愛グループの裏カジノに置かれた1玉4,000円のパチンコ「沼」で一攫千金を目指すことになる。坂崎はカイジをサポート役にして、自身の計画と資金によって「沼」に挑むが、裏カジノの店長・一条が仕込んだ妨害により惨敗。八方塞がりの状況になるが、カイジは「沼」の攻略法を閃き、計画を練り上げ、利根川失脚のあおりを受けて負債を抱えた遠藤をも仲間に引き入れる。そしてカイジの最後の地上滞在日に、カイジ・坂崎・遠藤の3人は再び「沼」に挑む。



賭博堕天録カイジ 和也編
第4章「渇望の血」 
■ストーリー
「沼」での勝利から半年後。借金を完済し地下施設から解放されたカイジは、「沼」で共闘した坂崎の家に居候し、働かず堕落しきった日々を送っていた。そんなカイジに愛想を尽かした坂崎は手切れ金として300万円を渡し、追い出そうとする。その時カイジは地下で仲間だった三好・前田と再会し、彼らが勤める裏カジノの社長・村岡からギャンブルで巻き上げられた給料を取り返すよう依頼される。カイジは必ず返すと約束して坂崎から300万円を受け取り、村岡が考案した変則麻雀「17歩」で勝負する。

思いかけず再び孤立無援の死闘となった「17歩」で、カイジは4時間に及ぶ乱戦の末に村岡を下し、4億8千万円の大金を得る。そして勝負の立会人となっていた兵藤会長の息子・和也に勝負を申し込まれ承諾する。カイジは帝愛グループ傘下のレストランへ案内され、小説家という和也の目標と、その「取材」のためにたびたび危険なギャンブルを企画し、多くの人命を奪ったその所業を知る。土壇場で裏切るのが人間の真実と言う和也を、カイジは全否定。その言い合いを契機に、友情確認ゲーム「救出」による人間性の実験、カイジと和也の勝負が始まった。

疑念と保身、友愛と自己愛を巡る死闘の末、光山の裏切りによって「救出」は終了。カイジは敗者となったマリオ・チャンの7045万円の負債を肩代わりし二人を救命、さらに仲間に引き入れる。しかし和也は似非の友情と決めつけ激怒、カイジらを潰す為、新たなギャンブル「ワン・ポーカー」を提案。カイジVS和也の対決の火蓋が遂に切られた。



賭博覇王伝 零
■概要
福本伸行の作風が色濃く出たギャンブル漫画である。ただし、少年漫画誌である『週刊少年マガジン』での連載と言う事もあり、暴力表現は(他の福本作品に比べれば)やや抑え気味になっている。前作である『無頼伝 涯』が打ち切りになった原因を、ストーリー展開に時間をかけすぎたためと分析した作者の考えから、ひとつのエピソードにかける話数が短くなっている。また、ギャンブルに至っても他の福本作品のギャンブルよりは謎解きの要素が強い。

■あらすじ
義賊として世間を騒がせた少年・宇海零とその仲間は、大富豪・在全無量が建設中のギャンブルと遊園地の融合施設「ドリームキングダム」に呼ばれる。在全が全財産を賭けて参加するギャンブルの代打ち、すなわち王を求めている為、零や他の者たちが集められたのだった。賞金1000億円で振り込め詐欺の被害者全てを救う為、王を目指して園内のギャンブルに挑戦する零だが、そこは生命を、精神を、肉体を賭ける究極のギャンブルばかりだった。



賭博覇王伝 零 ギャン鬼編
■あらすじ
ドリームキングダムで行われた、命懸けの「王への試験」から数年後……。ある伝説が跋扈した!不敗のギャンブラー伝説!!そのギャンブラーこそが、「王への試験」で神がかり的頭脳を発揮した、宇海 零!!そして、彼が今回挑むギャンブルは、何とゴルフ!!ゴルフ初心者の零は、どんな勝負に出るのか!?



無頼伝 涯
■概要
冤罪に陥れられた少年・工藤涯の自らの無実の証明と更生施設「人間学園」からの脱獄までの闘い、真の自由と自立を追い求める姿を描く。

本作は福本が『熱いぜ天馬!』以来、久しぶりに『週刊少年マガジン』に挑戦した作品である。その内容は、犯罪・監禁・矯正という、少年誌では表現の難しいテーマを扱っており、格闘や脱走などアクションシーンを多分に盛り込むなど、今までの福本作品とは一線を画している。

■あらすじ
鳳臨グループ会長・平田隆鳳刺殺の容疑で、100名を超す警察の包囲網に追い詰められた中学生・工藤 涯。「オレは殺ってない、はめられたんだ」と、無罪を主張する涯だが、対峙する鬼警部・安部は聞く耳を持たない。なおも抵抗を続ける涯に危機を感じた安部は、必死に投降を促すが……。突破か? それとも投降か!? 一触即発の瞬間、己の正しさ、そして力を知らしめるために、涯が下した決断とは!?



銀と金
■概要
裏社会を生きる男達の勝負を描いた作品であり、株の仕手戦や政治家との裏取引などの政治的な駆け引き、殺人鬼や復讐に身を委ねた男と命を掛けた死闘、さらに福本得意のギャンブル勝負を描いた傑作である。



天 -天和通りの快男児-
■概要
「理」によって麻雀を打っていた井川ひろゆきが、「理」以外のもので打つ天貴史と出会うことから物語は始まる。

当初麻雀人情ものとして連載がスタートしたが、徐々に麻雀勝負ものへと移行した。この作品により福本伸行は従来の人情物作家から脱皮し新境地を開拓した。このため作者の漫画家としての成長過程をたどることができる作品ともなっている。

本作品から派生した漫画に『アカギ ~闇に降り立った天才~』、『HERO -逆境の闘牌-』がある。



アカギ -闇に降り立った天才-
■概要
『天 天和通りの快男児』からスピンオフした漫画で、天の登場人物、“伝説の雀士”赤木しげるを主役にし、赤木の少年期から青年期、そして伝説の雀士へ登りつめていく姿を描いた作品である。もっとも、現在ではアカギのネームバリューが先行してしまい、天の派生作品であることを知らない新規読者も多い。

■あらすじ
昭和33年、高度成長期真っ只中の時代。雨降りしきるある夜、とある雀荘でヤクザ相手に命がけの勝負を挑んでいた南郷は徐々に窮地に追い込まれていた。その時突然、ずぶぬれになった一人の少年が雀荘に入ってきた。少年にただならぬ気配を感じた南郷は、麻雀牌すら握ったことのない彼に代打ちをさせる。このときから伝説が始まった。少年の名は赤木しげる。後に「神域の男」として裏社会にその名を轟かせる人物であった。



ワシズ -閻魔の闘牌-
■概要
福本伸行作の『アカギ 〜闇に降り立った天才〜』の鷲巣巌を主人公としたスピンオフ作品。そのため『天 天和通りの快男児』から辿るとスピンオフ作品のスピンオフという位置づけになる。戦後の昭和23年(敗戦から3年)の日本を舞台に彼が財政界のフィクサーとなる過程とその活躍を描く。



HERO -アカギの遺志を継ぐ男-
■概要
前作『天 天和通りの快男児』の続編となるスピンオフ作品で、アカギの死に様をみて再び麻雀の世界に挑戦する井川ひろゆきが主人公で物語が進む。



最強伝説 黒沢
■ストーリー
2002年12月、土木作業監督・黒沢は、自分の人生があまりにも満ち足りていないことに焦りを覚え、人望がほしいという自らの欲求に気づく。おりしも44歳の誕生日を迎え、それを機に生き方を変えようと奮闘する。そんな中、偶然不良中学生との戦いに巻き込まれたのをきっかけに、様々な修羅場を潜り抜けてゆくこととなる。



生存 -LifE-
■あらすじ
大手企業に勤める武田は、亡き妻・直美と同じ肝臓癌を患い、余命半年だと病院で告げられる。余命半年と告げられて武田は一度は自殺を試みようとするが、その矢先に長野県で14年前に失踪した娘・佐和子の遺体が発見されたと知らされる。娘に対する殺人の時効が後半年残っていることを知るに至り、会社を辞めて残された命で娘を殺した犯人を探すことを決意する。


福本伸行
かざま鋭二のアシスタントを経て、1980年『月刊少年チャンピオン』(秋田書店)連載の『よろしく純情大将』でデビュー。主な作品に『賭博黙示録カイジ』、『アカギ 〜闇に降り立った天才〜』、『銀と金』、『天 天和通りの快男児』などがある。1998年に『賭博黙示録カイジ』で第22回講談社漫画賞受賞。

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