≪書籍情報≫
著者:
福本伸行
出版社:
双葉社
版型:
文庫版
カテゴリー:
復刻版コミックス
連載雑誌:
アクションピザッツ
ジャンル:
ギャンブル
≪同一著者書籍≫
【古本コミック】
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≪参考情報≫
参考情報はWikipediaより抜粋したものです。(詳細は下記のとおり。)
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『銀と金』(ぎんときん)は福本伸行の漫画作品。1992年から1996年までアクションピザッツ(双葉社)に連載されていた。単行本全11巻。
【概要】
裏社会を生きる男達の勝負を描いた作品であり、株の仕手戦や政治家との裏取引などの政治的な駆け引き、殺人鬼や復讐に身を委ねた男と命を掛けた死闘、さらに福本得意のギャンブル勝負を描いた傑作である。
休載という形で連載終了し、現在に至っても再開されないため、未完の作品となった見方が強い。2005年12月から文庫版が出版されており、全8巻が出版されている。
【主要登場人物】
森田・銀二の仲間
森田 鉄雄(もりた てつお)
競馬場で平井銀二に声をかけられたことをきっかけに、悪党たちが金を握る裏世界で生きる決意をする。相手の虚を天才的に見抜いて勝ちぬく鋭さを持つ一方、銀二たちにはない損得抜きの行動原理で動く事もある。欲望だけを追うことのない純粋さを見込まれて裏世界に引き込まれ、銀二の悪党ぶりと金を手にすることの天才的な才能に憧れて、「銀を超える金(キン)と呼ばれる人間になりたい」という志を抱くが、次第にその純粋さでは許容できない世界があることも知ってしまい、ついにはグループから身を引くことになる。
平井 銀二(ひらい ぎんじ)
「銀王」と呼ばれる裏社会のフィクサー。森田を「条件」に当てはまる男として裏社会に引き込む。悪魔じみた思考で弱者や悪党から金を搾り取るが、「巨悪を征するのはそれより大きな巨悪」という独特の志向を持つ。劇中で森田を「『例の御老人』の後継者として最適」と言ったが、その詳細は描かれることはなかった。外見はアカギに酷似している。ちなみに、福本の短編漫画「銀ヤンマ」の中にも、風貌がよく似た同姓同名の人物が登場するが、そちらは若かりし頃の彼であると推測される。
安田 巌(やすだ いわお)
警視庁OB。ポーカー戦で外ウマに乗った。メンバーの中でも特に森田を信用している描写があり、森田が引退するといった時、怒鳴りつけながらも必死で引き止めようとした。アカギに登場する刑事、安岡と立場も風貌も酷似している。
巽 有三(たつみ ゆうぞう)
元新聞記者。かつての経験を生かし、情報収集によって銀二をサポートする。常にサングラスを掛けており、素顔を晒した事はない。
船田 正志(ふなだ まさし)
東京地検特捜部に所属していた元検事(ヤメケン、あるいはモトケン)で、経歴を元に企業を相手にしているブローカー。劇中で登場シーンが少なく、ほとんど発言する事も無かったが、キツネ目に眼鏡、長髪といかにも悪党的な風貌が印象深い。
川松 良平(かわまつ りょうへい)
第8部で加わった若者。森田と同じくギャンブルに染まっており、400万もの借金を背負っていた。彼と標的の河野洋一の四男がよく似ていたことで、銀二は秘策を思いつき、作戦を実行に移す。
その他
土門 猛(どもん たける)
帝日銀行頭取。第1部で銀二たちに癒着の現場を押さえられて以降、銀二達の有力な協力者となる。
伊沢 敦志(いざわ あつし)
自由民政党(モデルは自由民主党)最大派閥・竹本会のナンバー2。第1部で銀二たちを救うため森田から力添えを頼まれ、最後にうまく騙されたものの、その堂々とした態度に感心し、銀二たちと協力し合う。離党し、55年体制を崩壊へと導いた後、政策を利用して銀二さえも手玉に取る計算高さを見せた。モデルは小沢一郎。
梅谷 哲(うめや てつ)
第1部に登場。不細工な顔にコンプレックスを持っており、金の力を信じて成り上がった。しかし株の仕手戦で資産のほとんどをつぎ込み、破産しかけた時に、銀二が助け舟を出して役を降りた。銀二が捕まった後には、以前に縁があった伊沢を森田に紹介した。
有賀 研二(ありが けんじ)
第2部に登場。関東一円の一都六県で7件の連続殺人事件を起こし、生きたまま体を切り刻むなどの凶悪さで世間を震撼させた殺人犯。逃亡中に偶然暴力団組員が捕らえ、警察と取引される事になっていたが、軟禁中に隙を見て武器を奪い、逃亡を図る。しかし森田に「弱者しか相手にできない」と指摘された事を恨み、計画を後回しにして、逃亡したと見せかけて背後から襲い掛かる。そこに銀二が駆けつけ、相対して追い詰めたかに見えたが、それは銀二の巧みな誘導であり、最後は叩きのめされた。
中条(なかじょう)
第3部に登場。画商を営んでいるが、不景気の煽りで経営はうまくいっていない。若い頃はある美術館で観たセザンヌに心打たれ、画家を目指した純朴な青年だったが、長年商売で暗部を覗いたため、その心はゆがんでしまっていた。最後は自分自身の心に負け、破滅。心神耗弱状態となり、川田の操り人形となってしまった。
川田三成(かわた みつなり)
第3・4部に登場。中条のクラブで法外な料金をふっかけられそうになっていた森田に対し、手を差し伸べる。その後、報酬を折半する約束で森田の計画に乗り、スペインのシンジケートから贋作を仕入れるなどの手助けをした。分け前を貰った後、再び森田の前に現れ、某企業に関するインサイダー取引の情報を漏らすが、その企業に起こった事件が川田自身による犯罪であったために森田の怒りを買い、道を決定的に違える。
西条進也(さいじょう しんや)
第4・5部に登場。一流企業の西条建設社長の次男で、不動産会社社長の長男・有田と薬品会社社長の長男・岡部とつるみ、イカサマを使って女の子と勝負し、金と身体をほしいままにしていた。初めて自分よりも力を持つ森田に出会い、復讐を誓って周到に準備を進め対決に挑む。しかし金のプレッシャーに負け、さらに森田の西条たちの裏を取った巧妙なトリックの前に破れる。第5部では残った金を元にして蔵前と麻雀で勝負するが、今度は以前とは逆に自分の手と共に破滅していった。
蔵前 仁(くらまえ ひとし)
第5部に登場。巨大グループ「誠京」の会長で、巨万の富を持つ老人。負債を負わせた人間を檻に閉じ込め、破滅していく様子を眺めるのが何よりの楽しみという、狂気じみた考えを持つ。森田・銀二と麻雀で対決し、豊富な資金で序盤は圧倒的に蹴散らすが、最後は銀二が考え出した一発逆転の手段が生み出した圧力の前に屈した。
神威家(かむいけ)一族
第7部に登場。家長の秀峰(ひでみね)と、長男で衆議院議員の勝輝(かつてる)、次男で県知事の勝信(かつのぶ)、三男で「カムイ」社長の勝幸(かつゆき)で地域一帯を支配していた。他に四男の勝広(かつひろ)と、周囲には秘密にされていた異母兄弟の吉住邦男(よしずみくにお)がいるが、一族に伝わる前時代的なしきたりにより、兄弟同士で争うように強いられており、結果凄惨な復讐劇を生んだ。
河野 洋一(こうの よういち)
第8部に登場。モデルは河野洋平。民政党(モデルは自民党)の総裁で、次の内閣総理大臣の座を狙い、銀二との競馬勝負に乗る。全てにおいて勝負を有利に進めていたかに見えたが、井の中の蛙にしか過ぎなかった権力のために銀二を侮っていたため、決定的なミスを見逃してしまう。勝負に僅差で破れ、すべてを失った。
【エピソード】
以下は便宜的に、話を第〜部と紹介する。
第1部
(第1〜14話)
競馬場で主人公の森田鉄雄が平井銀二に声をかけられるところから物語は始まる。典型的なギャンブル中毒者であった森田に、銀二は数個の段ボール箱をアパートまで運ぶ、簡単な仕事に誘う。怪しみながらも渋々仕事をこなした森田が銀二の隙を見て箱を開けると、そこには札束が詰め込まれていた。驚く森田を尻目に、銀二はそこへ集まった人々に次々と金を貸し付けていく。最後に、銀二は森田の前に貸付金の残りの札束を積み上げ、ある老人の殺人依頼をする。
答えあぐねる森田に対し、銀二は徐々に札束を減らしていく。森田は一旦立ち去るが、再び銀二の前に戻り、「人殺しはできない、だけど裏社会で生きたい」と懇願する。そんな森田に、「その気持ちを忘れるな」と告げ、次の計画、日本旭との株の仕手戦の内容を話す。
第2部
(第15〜21話)
仕手戦を制し、伊沢・帝銀とも協力関係を取り付けた銀二は、知り合いの広瀬から森田を試す仕事を受ける。その依頼とは、暴力団が偶然捕まえた世間を騒がせている稀代の殺人鬼・有賀研二を警察との取引に使うため、引渡しまで軟禁状態のまま見張る仕事だった。
有賀が捕らえられている部屋に案内された森田は、銀二から一丁の拳銃を受け取るが、その銃は銃弾が込められていない、脅しだけのものだった。その場は無事にやり過ごした森田だったが、交代した組員の不用意な行動から凶器を手に入れた有賀は、凄惨な殺戮を始める。
第3部
(第22〜33話)
有賀との戦いで九死に一生を得た森田は、そのまま入院生活を送っていた。周りから浮いた森田に、同室の患者やその知人は、まっとうな職を斡旋し足を洗うように勧めるが、森田はそれを一蹴して改めて裏の社会で生きる決心を固める。そこに現れた銀二に、確実に5千万円を取るか、それとも0か5億円のどちらかが入っているジュラルミンケースを選ぶかの選択を提示され、二者択一の選択を選ぶが、銀二の巧みな誘導により、5億円を逃してしまう。銀二が立ち去った後、手にしたケースの中には僅かな金と、「この金を5億にしろ」との指令が書かれた紙が残されていた。
街を放浪し、情報を手に入れるためにホテル内の喫茶店に入り浸るうち、森田は画廊の中条と稚拙な画力の美大生・青木との会話を耳にする。さらにその後、業界紙で帝銀の土門総裁が紹介していたセザンヌの絵画「ジャ・ド・ブッファンの眺め」の記事を見たとき、ある作戦を思いつく。
その後、うまく中条と知り合いになった森田は、罠に嵌められかけるが、そこに現れて危機を救ってくれた男・川田と協力関係を結び、本格的に計画を進める。
第4部
(第34〜42話)
川田と決別した森田は、銀二の「金は常に抱いていろ」との話に従い、2億もの現金をバッグに詰め行く先も定めず街を放浪する。そんな中、出入りする喫茶店の店員・美緒から賭けポーカーで女の子と対戦し金と身体を賭けの対象にし、大勝ちしているという有名企業の跡取りである西条ら三人組の噂を聞く。美緒たちの仲介で森田は西条に近づき、勝負に立ち会うが、金を盾に勝負を決めようとする西条に対し、森田はそれ以上の金を積み上げる。
その場は森田の勝ちで収まったが、西条は屈辱に燃え、青天井でのポーカーの勝負を挑み、森田もそれを受ける。その後、知り合いの女の子たちから情報を得た森田は、西条たちが何らかのイカサマをしていると踏むが、結局方法が分からないまま勝負の日を迎え、方々から金を工面して破天荒の勝負に臨む。
第5部
(第43〜58話)
ついに目標の5億を突破した森田は、再び銀二と合流する。次に銀二が狙うのは、日本でもトップクラスの企業グループ「誠京」の会長、蔵前仁。目的は蔵前が持つ政治家たちの借金の借用書を取り戻し、政治家を手駒にするためだ。そのためには、蔵前と直接ギャンブルで勝負し、500億円分勝つしかない。しかし逆に500億円分負ければ、銀二たちは蔵前の支配下に置かれる事になってしまう。
数あるギャンブルの種目の中から、森田は敢えて蔵前が得意とする麻雀を選ぶ。彼なりの作戦があってのことだったが、莫大な資金と巧みな勝負経験を持つ蔵前には通用せず、あっという間に危機に追いやられる。
茫然自失となった森田に、銀二は「飼われる前に死ね」とナイフを渡す。死ぬ覚悟を決めた森田の前に現れた銀二は、蔵前が持つ資産全てを吹き飛ばすほどのある秘策を告げる。
第6部
(第59〜64話)
ぎりぎりの博打の結果、予想外の大勝利を得た銀二は、伊沢に結果を報告する。伊沢は次に、自身の持論である政治改正法案を通すための裏工作を依頼するが、銀二たちの工作が漏れ、法案は否決されてしまう。
その事を危惧した土門総裁から、伊沢がアメリカの銀行から一千億もの莫大な融資を受けている事を知った銀二は、この裏に秘められた真実を見抜く。後日銀二・伊沢・土門の三者会談で、伊沢は全ての事情を説明する。全ては政治資金を稼ぐための、伊沢の自作自演だったのだ。その後、伊沢と2人きりになった銀二は自身の野望、すなわち日本全体の経済を支配する壮大な野望を語る。
第7部
(第65〜88話)
銀二が伊沢と会っている間、森田は銀二が受け取った、暗号と共に伝えられた手紙による救助の依頼のため、独立行動を取っていた。依頼をした人物とは、日本有数の家電メーカー「カムイ」会長の神威秀峰。神威家は家長となる兄弟一人のみに全財産と権利を相続させる「家長権」により繁栄したが、権力が集中するためにあまりに強権的になり、秀峰の代で家長権を消滅させ、全員で平等に受け継ごうと考えた兄弟により、病院に軟禁されていた。
森田は秀峰が懇意にしている病院の看護婦・田中沙織と協力し、秀峰を救い出した後、神威家が建設した開業前のホテルへ移動し、そこへ兄弟たちを集める。秀峰は兄弟たちに家長権の重大さを説くが、子飼いの暴力団の組員らを味方につけた兄弟たちにより、逆に危機に陥る。運良く逃げ出した森田は、沙織が兄弟側の人間である事を悟り、このままでは二人とも殺されると説得し、逆襲に転じる。
幾度とない苦難の末に兄弟たちを組み伏せ、安全を確保した森田たちは無事帰還できるかと思われたが、そこに現れた侵入者により組員らが虐殺され、「神威家鏖」とのメッセージを伝えられる。敵対する暴力団組織の殺し屋かと騒ぐ兄弟たちに対し、秀峰はこう説明する。「鏖・・・これはみなごろしと読む。つまり『神威家皆殺し』だ」と。そして、再び生き残りをかけた戦いが始まった。
第8部
(第89〜108話)
森田が抜けて1年後、銀二は日本中央優駿会の実権を握る民政党総裁の河野洋一に目をつける。毎年5,000億にも上る巨大利権から河野が得た300億を、相手の土俵である競馬のGIIレースを舞台に、双方が6頭を出して1着馬を出した方が勝ちとする、1回限りの総取り方式で取り合おうと持ちかけたのだ。
そのために、銀二は再び競馬場で出会った新たな相棒・川松良平を仲間に誘う。さらに優良馬や一流の騎手が河野陣営に奪われていく中、銀二側は最強の騎手である岡部幸範を味方に引き入れることに成功する。
厩務員などへの裏工作も着々と進行し、勝負の勝ち目が見えてきたかと思った矢先、河野側に工作が漏れ、水泡に帰してしまう。しかし、銀二は落ち着いたまま、「本当の仕掛けは別」と話す。そして、いよいよ決着の日を迎えたのだった。
(「銀と金」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(http://ja.wikipedia.org/)。2007年4月5日18時(日本時間)での最新版を取得。改訂履歴(http://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E9%8A%80%E3%81%A8%E9%87%91&action=history)。Text is available under GNU Free Documentation License(http://www.gnu.org/copyleft/fdl.html).)