≪書籍情報≫
著者:
緒方てい
出版社:
集英社
版型:
B6版
カテゴリー:
ヤングコミックス
連載雑誌:
オースーパージャンプ
≪参考情報≫
参考情報はWikipediaより抜粋したものです。(詳細は下記のとおり。)
ご購入の際はお客様ご自身の最終判断でご利用ください。
『キメラ』(きめら)とは集英社発行の漫画雑誌「スーパージャンプ」にて連載された、緒方てい原作のファンタジー漫画作品である。単行本は全16巻で完結。最終章が「オースーパージャンプ」で連載され、2008年4月号で終了した。
【あらすじ】
かつて、カーライア帝国には戦う事に長けた種族がいた。「キマイラ」と呼ばれた殺戮と破壊を好み、燃えるような赤い目をした彼らを人々は「悪魔の種族」と呼び、畏怖した。戦が終わり、彼らは恐れられた人々に滅ぼされたはずだった。あるとき、初陣から逃れてきた戦士・タキは倒れ掛かっている所をリンに助けてもらう。
この2人の出逢いが、そして2人を取り巻く人々が帝国の未来を大きく左右する事になる…。
【主な登場人物】
リンとその仲間たち
リン
本編のヒロイン。辺境の村に住んでいたが、その村が襲われた事をきっかけに自分がキマイラである事を知る。人並み外れた運動能力と戦闘能力を持ち合わせているが、中身は年相応の女の子そのもの。タキと出逢い、彼に惹かれていく。その一方でキマイラとしての自分を受け入れ、苦しみながらもその運命を乗り越えようとする。本来なら存在自体が在り得ない奇跡である人間とキマイラの間に生まれた子である「奇跡の種」。
ファルシオンにおける聖戦では大風車を守る「6人の戦士」の1人として参戦。
キマイラ6人の戦士のうちの1人・ドリスとの死闘の末に戦闘不能にすることで勝利。その後、シスがファルシオンにばら撒いた赤い水(キマイラを凶暴化させるウィルス)により暴走するもタキの想いにより正気を取り戻し、サイファーとの決着をつける。
タキ
本編のもう一人の主人公。リンと出逢い、彼女の支えになろうと誓い戦うようになる。親をキマイラに殺された過去を持ち、額に十字の傷のついたキマイラを探している。リンと旅をするうちに彼女に惹かれて行く。始めの頃は戦闘経験もなかったが、実は戦士としての筋は悪くない。タキ、リン、カイルたちの中では一応リーダー役。子供のカイルを除けばリンが強すぎるために強くなるための方法を模索していたが、ガラハットに師事して驚異的な脚力「烈風脚」を得、「烈風」の通り名を貰う。そのガラハットが亡くなってから「超速剣」を受け継ぎ「疾風」と「烈風」を組み合わせた「嵐」の通り名で呼ばれるようになる。
サイファー達との決戦が終わった後日、ルドルフの手によって魔都と化した聖都・サラスを奪還する軍隊「聖十字軍<クルセイダーズ>」結成の中心人物として、また戦士の一員としてこれに参加、ルドルフ達との死闘を繰り広げる。
武器は当初は長剣を使っていたが、「烈風脚」を覚えてからは両手持ちの刀(黎明)を、更に疾風斬を覚えた後はムラクモから1本の刀(旭光)・2本の隠し刀(暁光、曙光)を譲り受けて両手両足を使った四刀流が戦闘スタイルとなる。
カイル
タキが育ったクレイモアにある孤児院の男の子。年の割りにませていてスカートめくりや風呂の覗きばかりしている。しかしながら実は母親はカーライア帝国の最後の皇帝の皇女であり、皇室の血を唯一引き継いでいる。カイル自身もまた正当なるカーライア帝国の皇位継承者で、新皇帝として即位し戦争を終わらせるために旅をすることを決意する。
マチルダ
帝都で大司教に仕えていたキマイラの少女。大司教の逝去に伴い、彼女が大司教に任命される。正当なる皇位継承者(=カイル)が帝都に現れたときに戴冠式を行い戦争を終わらせようと思っている。教義に反しているとは言え、笑顔を常に絶やさない女の子。アインにあこがれているが、そのアインへの募る想いとキマイラである自分がぶつかり合い葛藤している。
サイファー達との決戦後は水の都市・ファルシオンに留まり、大司教として教会で子供達の世話をしたりしている。
戦闘スタイルは父親の形見である2本のダガーによる二刀流。
アイン
かつての「蒼の騎士団」の一員で、通り名は「仕掛けボウガンのアイン」。仕掛けや機械などを作り出す事に関しては突出した能力を持つ。帝国に属しながらも、この戦争にはどこか疑問を抱いている。
ゲイヴォルグの密偵としてファルシオンに潜入したものの、鍛冶師・ムラクモにあっけなく見つかりそのまま世話になる。そして偶然リン達と再会し、聖戦においては大風車を守る「6人の戦士」の1人として元神殿騎士だったエヴァンスと激闘を繰り広げた。
サイファー達との決戦後はタキと共に聖十字軍に参加し、サラス奪還の為に戦う。
ガラハット
かつての「円卓の騎士団」の一員で、伝説の戦士。「疾風のガラハット」の通り名で活躍する。高速の斬撃を放つ「超速剣」の使い手。必殺技は「超速剣疾風斬」。生活苦から反乱を起こした民を殺さなくてはならない騎士の正義に疑問を抱き、騎士団を脱退してその頃知り合ったキマイラ・マリーと共に旅に出る。だが途中ある事件から片足とマリーを失なってしまう。マリーを守りきれなかったことを悔やんだガラハットは彼女を守れるだけの力を求め「超速剣」を習得し、行方不明になったマリーを探していた。リンの実の父親である(リンはそのことに気付いている様子)。師であったサイファーとの死闘の後、タキにリンと「疾風」の力を託し死亡かと思われたがマリーの魂の一撃により死の淵から蘇る。「ファイナルクロニクル」にて、ファルシオンに押し寄せるマンティコア達を無数の剣で片っ端から切り伏せる活躍を見せる。
カレン
ファルシオン自衛軍部隊長。代々傭兵の家に生まれ、自身も傭兵として各地を回る。弾性のある槍と踵に仕込まれた隠し刀を用いて戦う。なおタキとは幼馴染で、彼へ淡い恋心を抱いている。
サイファー達との決戦後は聖十字軍に参加し、ファルシオン軍の兵士達との連携攻撃で果敢に戦う。
トビィ
リンに懐いているナガミミムササビ。
キウイ
ガラハットと共に行動するカラスのような鳥。雌でトビィを気に入っている。
キマイラ6人の戦士
サイファー
かつての「円卓の騎士団」の一員で、「天より選ばれしサイファー」と呼ばれた円卓最強の純白の騎士。ガラハットの師でもあった。カオス戦争終結後に円卓を抜けて姿を消す。その後「黒衣の騎士」としてキマイラ6人の戦士を引き連れて(彼はキマイラではなく人間)人間を滅ぼすための「聖戦(ジハード)」を始める。彼の肉体は千ものキマイラの屍が圧縮された甲殻人間として改造されており、さらに流星の鉄で作られた鎧と剣によって圧倒的な戦闘能力をほこる。ガラハットとの死闘で遂に自らの体を構成する千のキマイラの同意を得、「白き騎士」として完全な姿を取り戻す。と同時に内包するキマイラの力に自らの肉体も限界に達し己の信じる道の為にリンとの最終決戦に挑み、彼女に迷いがあったこともあり一度は退けるが、迷いを断ち切った彼女の真の力を前に先のガラハットとの戦いで剣を1本折られていたこともあって敗北。最後は弱くもあるが変わろうと願い前へ歩んでいく人間たちの素晴らしさを認め、リンに未来を託し人々を守るために千のキマイラの魂と共にルドルフの兵器「ミョルニル」を破壊し消滅した。
ガゼル
「命の炎」を司る戦士。かつて人間たちによって4人の子供を殺され(これにはタキの両親も関わっていた)、その後サイファーの「聖戦」に加わる。 4人の子供の魂が宿る左腕から発せられる炎と剣技を織り交ぜて戦い、その実力は「烈風」の通り名を持った直後のタキを全く寄せ付けず、完膚なきまでに打ち負かすほどであった。その後、タキと再び死闘を繰り広げるも限界を超えたタキによって人間への憎しみもろとも左腕を切り落とされた。
その後は聖十字軍に参加し、隻腕ながらも子供達の命の残り火を借りた炎の斬撃で戦う。しかし戦いの最中でカレンを庇って致命傷を負い、最後はタキの為に自身の命を燃やし尽くした炎撃でルドルフへの道を切り開いた後に灰となって消滅、死亡する。
ドリス
キマイラの戦闘パターンに従って追尾する、キマイラ殺しの魔剣「クセルスー」を用い戦う女戦士。かつて法王庁で「奇跡の種」を産み落とすための道具として毎晩人間の男たちにレイプされていた所をサイファーによって助け出され、以後彼に従う。「奇跡の種」であるリンを激しく憎み何度か戦いを挑むが、戦いの中で成長を続けるリンにクセルスーを破られ最終的には行動不能となり敗北した。
ファルシオンでの戦いの後は聖十字軍に参加し、タキ達と共に戦う。
アガサ
念動力やテレパシーといった超能力を操る少女。元々はスプーンを曲げたり軽い予知夢を見たりする程度であったが、法王庁で多くのキマイラの犠牲の下強化された。その力は、自らの体温を犠牲にするという異質な力である。キマイラが何の為に生まれたか、その答えを得るためにマチルダと戦うこととなる。戦いは彼女の力の秘密を知ったマチルダによって中断された。
ファルシオンでの戦いの後は聖十字軍に参加し、グエンとの連携攻撃による空中からの敵の迎撃を担う存在となる。
エヴァンス
元修道騎士。巨大な鎌を用いて戦う。育ての親である司祭の裏切りによりキマイラの血に目覚める(この時、司祭を含め彼の素性を知る者は皆殺された)。その後人間の本質を見極めるために修道騎士となり、マチルダと出会う。彼女の姿にもう一度人間を信じようとするが(マチルダがキマイラであることを当初知らなかった)、人間の醜さを見せつけられ絶望しサイファーの「聖戦」に加わった。後にアインと死闘を繰り広げ、その中で彼のマチルダに対する深い想いを知り、彼だけは信じることにした(戦いは両者行動不能で終わる)。
ファルシオンでの戦いの後はアインの説得を受けて聖十字軍に参加し、その力を振るう。
シス
「6番目」という意味を持つ戦士。目に見えぬほどの超高速の斬撃を放つ。素性は謎で、キマイラかどうかも不明。タキと戦うもすぐに戦いをやめる等、何の為に行動しているのかも全く不明であるが、どうやらルドルフと何か関係がある模様。
実は王家の人間の血の刻印(遺伝子と推測される)から作り出された複製人間で、聖戦後ルドルフと共に聖都・サラスを乗っ取り、新生ゲイヴォルグを作り上げる。
円卓の騎士団
サイファー
ガラハット
グエン
「十人力のグエン」と呼ばれた騎士で、ガラハットの友人。超少数精鋭「蒼の騎士団」部隊長でもある。部下であるアインの開発した超重量の仕掛け鎧「ジェネロウ」や攻城戦車「ファランクス」をまとって戦う。その姿から「仕掛け鎧のグエン」と呼ばれることも。必殺技は無数の剣を一斉に発射する「ヤマアラシ」。初期のリンと互角以上の戦いを繰り広げた。
リンとの戦いの後行方知れずだったが、ガラハットの死を聞いた(実際には当人は生存していた)後にアインを含めた「蒼の騎士団」全員で聖十字軍に参加する。爆薬により発射スピードが大幅に増加し、さらにアガサの念動によって誘導能力をも備えた連携技「超ヤマアラシ」による活躍を見せる。
ザイン
「人馬一体のザイン」と呼ばれる操馬に優れた騎士。戦闘においては、愛馬「グリンガレット」に跨り戦う。過去に少年達を戦で失い、その後は死に場を求め改造馬(イブリッド・ホース)と化した愛馬と共に戦い続けるが、リンの説得により翻意。カイルに円卓の騎士団再結成を誓い旅立つ。
後日、愛馬と共に聖十字軍に参加、戦場で唯一の騎馬兵として活躍するが、進化したマンティコアの攻撃により右腕を切り落とされて戦線離脱。死期を悟ったグリンガレットをタキの元へ送り出した。
バーンズ
「十の目のバーンズ」と呼ばれた騎士で、気配を読む達人。だが、彼に恨みを持つ盗賊団によって差し向けられた少年の刺客の手にかかり死亡。彼ほどの達人も、無垢な少年の殺意までは読みきれなかったらしい。
オリファー
「博識のオリファー」と呼ばれた騎士で、サイファーの弟。法王庁で研究を続け、サイファーを甲殻人間に改造する。人間に絶望しキマイラに地上を委ねるべきと考え、サイファーの手にかかり死亡。
ルドルフとその配下
ルドルフ
ゲイヴォルグ軍の技師。種族は不明だが、キマイラと同様に目が赤くなる(キマイラとは違い意図的に赤くすることが出来る)。古き者達の技術に長じ、多くのキマイラの犠牲の上に様々な改造種を作り出している。性格は狡猾にして残忍。人間もキマイラも彼にとってはモルモット程度にしか考えていないようである。戦争を楽しんでいる感があり、サイファーは「全ての元凶を生み傍観する者」と表現している。実際、彼は永き時間を生き、何度も世界を滅ぼしている(直接手を下すのではなく、助言を与えたり戦争の勃発を誘発したりしてきた)。
サイファー達とリン達との決戦を見届けた後、聖都サラスを占拠し「新生ゲイヴォルグ」軍を以て暗躍する。
シャーリー
ルドルフによって、100人のキマイラの死体から生みだされた錬成人間(アゾート)。エルフのように耳のとがった、水着姿の少女の姿をしている。赤ん坊のように無垢な性格ながらその戦闘能力は凄まじく、リンですら恐怖した。白の鉄槌兵団(後述)の強化のために一度両腕を失い、自らも白の鉄槌五連隊の一員となった。その後それが全滅した後は、再びルドルフの元へ戻ったようである。
ファルケン
「重格闘術のファルケン」の異名をもつ改造種(イブリッド)。キマイラ10人分の筋肉を有する大男で、凄まじい怪力とスピードを併せ持つ。キマイラとして覚醒したルカとの戦いで狂暴化していき、それに比例して形態が変化し、全身に無数の目をもつ怪物のような姿となった。最終的にはリンに倒されるがその刹那人間としての記憶がよみがり、涙を流しながら死んでいった。
ビュウ
「黒鳥のビュウ」の異名をもつ鳥型改造種。性格は卑劣かつ冷酷で、敵を絶望にさらすのを好む。翼を切り裂かれた後も軽量化された身体と強靭の脚力からくるスピードで相手を翻弄しようとしたが、覚醒したルカには敵わず惨殺された。
ザイン
ラウド
タリボンの領主である男。こまどり隊を戦場に送ることで、領主としての地位を保っている。こまどり隊を気遣っているふりをしているが本心では誰よりも子供を嫌っており、彼らを散々利用して殺してきた。リンがタリボン城に攻めてきたときにはそこから逃げ出そうとしたが、シャーリーによって素手で八つ裂きにされた。
アブイ兄弟
「加速車輪のアブイ兄弟」の異名をもつ二人組みの男。ローラースケートのようなものを履き、動体視力を高める器具を目に装備している。こまどり隊を狙ったが、仲間割れを演じたタキとオスカにあっさりと敗れた。
グレタ
ルドルフにより鳥型改造種にされた女性。故郷に残した子供達のために、カイルの抹殺の任を受けクレイモアに攻め入る。リンとタキによって止められるが、無理な人体改造が原因で死亡する。
アドニス
ルドルフの一番弟子という、不気味な仮面を被った男。サラスに「黒い病」と呼ばれる伝染病をばら撒いた張本人。自らの身体を甲殻人間・オーグルに喰わせて、それと一体化した。甲殻人間と融合してからは炎に強い耐性を持ち、無数の触手を操る能力を得た。突如現れたサイファーに一撃で敗れるが、「人類の叡智はこの程度ではなかったか」と喜びながら死んでいった。
白の鉄槌兵団
4人の改造種からなる、ゲイブォルグの一兵団。自らを「完全者」と妄信しており、その極端かつ危険な思想のためゲイヴォルグからも恐れられている。後にシャーリーを加えて、「白の鉄槌五連隊」に改名した。「某戦隊」がモデルかと思われる。「ファイナルクロニクル」では彼らの後身として連隊シリーズ第2弾「灰色の電撃隊」が登場しタキに襲いかかるが、嵐の通り名を得たタキの敵ではなく瞬殺された。
ナインハルト
「雷光のナインハルト」の通り名を持つ、鎖をもった男。体内に電気を生成することができ、鎖を通して電気を敵に流し込む。「白の鉄槌五連隊」となると、某戦隊のリーダーのような仮面をつけるようになった。
抵抗できないリンを徹底的に嬲り者にしたが、突然現れたタキによって致命傷を受ける。その後体内の電気を暴走させて自爆しようとしたが、迷いを振り切ったリンとタキによって阻止された。
彼もまた、シャムシールの無差別なキマイラ狩りの被害者だったらしい。
トリガ
「遠撃ちのトリガ」の異名を持つ改造種。未完成な「銃」を使用するためだけに全身を改造しており、脳が剥き出しの頭部、十字状の目など非常に奇怪な姿をしている。性格は狡猾かつ慎重で、敵の手の及ばないから攻撃するのを好む。白の鉄槌五連隊」となった後はさらに強化され、2丁の銃を一度に使用できるようになった。
遠方から攻撃してリンを苦しめたが、突如現れたガラハットにはどんな手段も通じず敗れ去った。
ブルメ
「飛燕自在刀のブルメ」の通り名を持つ男で、巨大なブーメランをもつ。理不尽な謎かけ(リドル)を吹き掛けるのを好む。
「白の鉄槌五連隊」となると、ナインハルト達と共にシャムシールの人々を殺しまわりリンを嬲り者にした。だが仲間が敗れ形勢が不利になると判断すると一反退いたが、シャーリーの腕の再生のためルドルフによって抹殺された。
ビエル
「超肥満巨躯のビエル」の異名を持つ肥満体の大男で、非常に巨大な鉄槌を持つ。「古き者達」の技術により、身体が刃を通さない軟体質になっている。南部の香辛料で味付けされた食物が好物。
シャムシールの人々を惨殺し仲間達とリンを激しく痛め付けたが、タキの「超連歩烈風脚」の前には軟体質の身体も通用せず敗北した。
シャーリー
その他
ジラフ
「雷鳴のジラフ」の通り名を持ち、シュバルツ戦争の英雄と言われたほどの戦士。リンの育ての親。キマイラ討伐でリンの母・マリーを殺したが赤子のリンをどうしても殺すことができず、ゲイヴォルグ軍から脱走して自分の娘として育てた。だがそれから15年後、2人が住んでいた村がゲイヴォルグ軍の襲撃を受けるとリンを守るため単身で敵軍に戦いに挑むも多勢に無勢、ついに力尽きる。
マリー
ガラハットの妻でリンの実母。種族はキマイラ。それまでの経緯は不明だが民殺しの罪に苦しんでいたガラハットの前に現れ、自らを殺して欲しいと懇願した。ガラハットは最初彼女が物狂いかと思ったが、その美しさに一目で心奪われる。彼が騎士団を脱退して旅に出る際にバレンタイン司教の勧めでマリーと結婚したものの、それは彼女は自らの意志というよりは自失状態で流されるままの同意だった。当初ガラハットに心閉ざしていたマリーも彼が献身的に接したので少しずつ心を開いていった。だが旅の途中サイファーの持っていた赤いペンダントの影響からか突如赤い目になり暴走、多くの人命とガラハットの片足を奪ってしてしまう。その罪の意識に苛まれガラハットの元を去っていった。その後身ごもっていたリンを出産したが、密告によりキマイラ討伐に遭い命を落とす。キマイラの王家に受け継がれる「青のペンダント」を持っていたことから、彼女はキマイラの王家に関係する者である可能性が高い。
ヘレン
クレイモアで孤児院を切り盛りする気風の良いおばさん。タキも彼女の孤児院出身である。カイルの母親で正体は旧カーライア帝国皇帝の唯一の血を引く皇女・マルゴリット。自分の子供・グスタフを次期皇帝に代えようとしたカリウス卿の策謀により皇帝の后は自殺に追い込まれ、更にその魔の手が彼女に及んだとき命からがら大司教によって救われた。既にカーライア帝国はカリウス卿に掌握されていたため大司教の助力で帝国を脱出し、次期皇帝正当継承者を産んでカリウス卿の野望を止める使命を帯びる。孤児院を経営し始めたのはのはカイルを隠すためだったようである。
オスカ
少年突撃部隊「こまどり隊」の隊長。少年でありながらその指揮能力、武芸は大人顔負けである。当初はリンたちと敵対するが、自分たちがラウドに利用されていたことを知り翻意。リンたちと手を結び共闘するがファルケンの一撃からルカを庇って重傷を負い、ビュウの手にかかり命を落とす。このことがルカのキマイラとしての覚醒を引き起こすこととなった。
ルカ
こまどり隊の隊員である少女。キマイラであるが、本人は自覚していない。後にオスカに従いリンたちと共闘する。目の前でオスカを殺されたことでキマイラの能力が覚醒。憎しみに駆られるままビュウを惨殺しファルケンと戦うが、タキに止められ自我を取り戻す。その際、自分のなしたことへの罪悪感の為、ショックで記憶を全て失ってしまう。戦いの後、他のこまどり隊の少年たちと共にザインに連れられてクレイモアへと向かって旅立った。
クレイモアでの生活の中、重傷だったこまどり隊の一人が亡くなる間際の遺言によって自分を取り戻し、その後聖十字軍にこまどり隊の一人として参加する。その時にはキマイラの力は既に自らのものとしている。
グスタフ
軍事国家ゲイヴォルグ総帥。その強大な軍事力を背景に大陸全土の支配をもくろむ。自信の地位を脅かすカイルの存在を恐れ、ルドルフにカイル暗殺の命を下す。後に、人質として差し出された小国の王子フランツとの交流によって戦争の終結を決意し、全軍に戦争行為の停止を命じるため首都サラスへと向かうが、その途上で怪物(恐らくルドルフが差し向けたマンティコア)の手にかかりフランツと共に命を落とす。
【小説版】
単行本の他に連光寺正による小説版も刊行されている。本編とは同軸時間上の外伝的なストーリーとなっている。2006年9月現在、『キメラ 左利きの聖女』『キメラ 燃える瞳の遊女』が発売されている。
【用語解説】
キマイラ
普段は人と変わらないいでたちをしているが一度戦闘状態に入ると目は炎のように燃え上がり、すさまじい速さと力で戦う戦闘種族。曰く、怒りに身を飲み込まれたときには彼らの頭の中では「憎イナラ殺セ!」「人間ナンテ滅ビテシマエ!!」という声が聞こえると言われている。先のカオス戦争が終わった後に軍によって一掃されたはずだったが、実は各地でひっそりと生き延びていた。繰り返される戦に自らを憎悪した人間たちが「血の刻印」を操作する技法(遺伝子操作のことか)を用いて生み出した新たな人類であり、人間たちが再び愚かな行いをした際に全ての人間を滅ぼすために存在している。
マギノギオン
「古き者達」の技術を記した書物。筋肉間の移植や生体兵器の製造など、様々なことが記されている。本来はルドルフ以外の人物には閲覧は認められていない。
改造種(イブリッド)
人間や他の動物にキマイラの筋力をあわせたもの。身体を全体的に強化された「全身強化型改造種」、飛行能力に長けた「鳥型改造」、馬を強化した「改造馬(イブリッド・ホース)」等がある。
甲殻人間
古代の生体兵器とされた、全身を装甲で覆った奇怪な生物。体内にはキマイラの肉のみが詰まっており、臓器や骨は無い。意思や感情をもたず、敵味方の区別無く攻撃する。制御するためには「黒い病」に感染した人間を餌とする必要がある。大型の個体は「オーグル」と呼び、アドニスと融合した。
後に強化されて人間の意志を組み込まれ、生き餌を必要とせずに兵器として戦うことができるようになった
マンティコア
魔都と化したサラスを拠点に大量発生し、大陸全土を席巻した人造の怪物で、外見は上記の甲殻人間に似ている。「個」と言う概念を持たず、生殖行為によって寸分たがわぬ同じ固体を産み続ける。知性や感情は皆無で、あらゆる生命を蹂躙する為にのみ存在している。また、戦いの中で進化を見せ、目の弱点を克服するのみにとどまらず、アインの仕掛けボウガン並みの遠距離連射までも可能とした。
流星の鉄
「硬さ」と「粘り」を併せ持つ本来地上に存在するはずの無い金属。これを打つことが出来るのはキマイラのみとされている。また、流星の鉄によって作られた武器は使用者の心を映すともされ、作中では漆黒、暗灰色、白銀の3色が確認されており、それぞれ絶望、迷い、決意といった心境を示していると思われる。
ジハード
サイファーが宣言した人間撲滅の戦い。イスラームにおいてイスラーム世界(ダール・アル=イスラーム)を防衛する戦争もしくは異教徒の領土を侵略しイスラーム世界に組み込む戦争をさすジハードに由来する。ちなみに作中では人間側は史実の中世キリスト教世界(クリステンダム)がモチーフとされており、人間の敵であるキマイラにイスラーム的モチーフを用いたのは効果的であったいう声もある。
聖十字軍(クルセイダーズ)
ルドルフによって魔都と化した聖都・サラスを奪還する為に結成された軍隊。最大の特徴は軍の構成が史上初となる「人間」と「キマイラ」の混成であること、尚且つ「クレイモア」「ファルシオン」の各軍に加えて敵対者だった「ゲイヴォルグ」軍まで加わっていることである。
【歴史的事実との関連】
リンの作中での行動は、「皇位継承者を戴冠させるために旅に同行する少女」という点ではジャンヌ・ダルクがモチーフになっていると見ることもできる。また、王が教会から戴冠式を受けて権力を得るという構図はフランク王国の王・クローヴィスから続くフランスの特徴的な儀式である。
イスラームやキリスト教との関連
作中では人間側の宗教は明らかにキリスト教を元ネタとしたものであり、聖職者の位階などもキリスト教用語を借用している。対してキマイラ側の人間に対する戦いは「ジハード」であるとされているなど、イスラームの影響が見て取れる。
日本のファンタジー漫画においては作品世界における宗教にキリスト教色が強い傾向があるが、イスラーム的要素の借用は近年になって見られるようになった。
(「キメラ (漫画)」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(http://ja.wikipedia.org/)。2008年5月9日14時(日本時間)での最新版を取得。改訂履歴(http://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E3%82%AD%E3%83%A1%E3%83%A9_%28%E6%BC%AB%E7%94%BB%29&action=history)。Text is available under GNU Free Documentation License(http://www.gnu.org/copyleft/fdl.html).)